糖尿病薬メトホルミンが多剤耐性乳ガンを抑制

2017年12月6日にオープンアクセスジャーナル『PLOS ONE』に掲載されたカナダのサスカチュワン大学のテラ・アーナソン(Terra Arnason)博士らによる研究では、2型糖尿病治療薬として処方されているメトホルミンは、乳癌細胞の多剤耐性(MDR)の発症を防ぐという報告がなされました。

以前の研究では、メトホルミンが複数のタイプの癌細胞に対してある程度の抗増殖活性を有することが示されています。
さらに、糖尿病を治療するために既にメトホルミンを使用しているがん患者での臨床メタアナリシス研究では、この薬剤が生存率を高め、新しい腫瘍の出現を防ぐ可能性があることが示唆されています。

アーナソン博士らは、広く研究されている乳癌細胞株MCF7に対するメトホルミンの効果を調査しました。


彼らは、メトホルミンが、一般的な化学療法薬ドキソルビシンに耐性のある細胞を含むMCF7に対して抗増殖効果を有していたことを発見しました。

細胞をメトホルミンで前処置した場合、薬剤耐性の発生が予防、または遅延しました。

また、細胞培養と侵襲性の強い乳癌のマウスモデルの両方で行われた実験では、メトホルミンがその発症後、MDRに関連したタンパク質マーカーを逆転させたことを明らかにしました。

これらの知見は、メトホルミンが細胞系に​​おけるMDRを逆転させ、その発症を予防する可能性を有することを立証しています。

今後の研究では、癌細胞を何ヶ月も追跡し、メトホルミンの効果が永続的であるか短命であるかを決定するために、研究のタイムラインを延長する必要があるでしょう。

(記事元)https://medicalxpress.com/news/2017-12-diabetes-drug-metformin-inhibits-multidrug-resistant.html